Category Archives: 海外の議論状況

SBSをめぐるYAHOO!JAPANニュース新着記事

YAHOO!JAPANニュースで

“虐待冤罪” 無罪判決続く 当事者が投げ掛ける「揺さぶられ症候群」の隙間

が公開されました。ジャーリストの益田美樹さんが、SBSをめぐる日本の現状を多角的な視点からリポートしたものです。是非お読み下さい。

2月14日(金)日弁連でSBSをめぐるセミナー

来る2020年2月14日(金)午後6時から、東京霞ヶ関の弁護士会館で、SBS(揺さぶられっ子症候群)仮説をめぐるセミナー「虐待を防ぎ冤罪も防ぐために、いま知るべきこと」 (主催 日本弁護士連合会、共催 関東弁護士会連合会、東京三弁護士会、大阪弁護士会、甲南学園平生記念人文・社会科学研究奨励助成研究「児童虐待事件における冤罪防止のための総合的研究グループ」、龍谷大学犯罪学研究センター科学鑑定ユニット) を開催します。最新の状況を踏まえて、活発かつ建設的な議論をしたいと思っています。ぜひお越しください。

大阪高裁無罪判決、海外でも話題に

笹倉教授が英文で報告されましたが(↓)、海外でもこの無罪判決が話題になっています。アメリカ、イギリス、スウェーデン、フランスなどから、無罪を喜び、山内さんのこれまでのご苦労をねぎらうメッセージが続々と届いています。フランスでSBS冤罪支援の中心を担っているシリルさんからは、1か月前にフランスでも、6年の裁判闘争の結果、静脈洞血栓症と髄膜炎という内因性の疾患である可能性が認められ、父親に無罪判決が出されたばかりだったと言う連絡をいただきました。国際的な情報共有の重要性を感じます。

バーンズ論文の翻訳が公刊されました

パトリック・バーンズ博士の医学論文「非事故損傷と類似病態:根拠に基づく医学(エビデンス・ベースト・メディシン)時代における問題点と論争」の翻訳が、龍谷法学52巻1号にて公刊されました。翻訳者は、吉田謙一先生(大阪府監察医事務所監察医務監、東京大学医学系研究科名誉教授)です。

この論文は、医学的所見と画像診断所見のみで、虐待による損傷と、事故による損傷やよく似た病態を確実に区別することは困難であると述べたものです。結論に至る中で、画像や文献も豊富に示されており、SBS理論を検証する際には必読の論文といえます。

9月公刊の龍谷法学52巻2号には、吉田先生によるバーンズ論文の解説が掲載される予定です。いずれも、雑誌公刊から一ヶ月ほど経過後に、webでの閲覧も可能となります。

フランスでも無罪事件が相次ぐ

フランスでも近時、SBS関連の無罪事件が相次いでいるようです。2019年3月4日、レンヌで”Adikia association” https://adikia.fr/2019/03/vanessa-relaxee/ (フランス語のサイトです)というフランスのSBSえん罪被害者家族会の会長であるヴァネッサさんに無罪判決が言い渡されました。さらに5月30日には、SBS仮説に基づいて、一審で懲役8年の有罪判決を言い渡されていた父親に対し、ルーアン高等裁判所で、逆転無罪判決が出されました。これらの判決は、国際的にも重要な意義を持つと思われます。実は、フランスは、SBSを主導する意見が非常に強い国だったのです。スウェーデン政府機関SBUの報告書でも、中程度の質のエビデンス(証拠)があるとされた論文がふたつあると指摘されましたが、それはいずれもフランスの研究でした(Vinchon とAdamsbaum。これらの研究は、揺さぶりの自白を重視したものです)。いわばSBS仮説のリーダー的な国でも無罪が相次いだのです。では、無罪となった2つの事件は、どのようなものだったのでしょうか。

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SBS検証プロジェクト共同代表インタビュー

 2018年及び2019年開催のSBS国際シンポジウムを主催した龍谷大学犯罪学研究センターのHPに、秋田・笹倉両共同代表のインタビューが掲載されました。 

「日本における揺さぶられっこ症候群問題のこれまでとこれから」    

 SBS問題に取り組む事になったきっかけを始め、これまでの歩み・今後の課題と展望が語られています。お二人の専門家としての矜持と情熱がプロジェクトを牽引し、さらに、メンバーが各々の専門性を生かして推進力となっていることが感じられる良い記事になっています。

ぜひ、お読みください。


SBS/AHT理論は、昆虫の飛行と同じ?-SBS/AHTをめぐる不可思議な議論

溝口解説にも出てきますが、SBS/AHT仮説への批判に対する再反論として、「昆虫の飛行」が持ち出されることがよくあります。アメリカの虐待関連の出版でも何度かこの喩えを見たことがありますので(例えば溝口医師も監訳者の1人であるキャロル・ジェニー編「子どもの虐待とネグレクト」金剛出版587頁)、アメリカでの議論の受け売りなのでしょう。しかし、その出典がアメリカにせよ、日本にせよ、SBSの議論として、およそ適切な喩えとは言えません。むしろ、議論をミスリードする誤った喩えと言うべきです。どういうことか、まず溝口解説をもとに、「昆虫の飛行」論を見てみましょう。

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海外の2018年以降の裁判例一覧

これまでもお伝えしてきたように、海外ではSBS/AHTに疑問を呈する裁判例が相次いでいます。このことについて疑義を挟む意見もあるようなので、当プロジェクトで把握できた2018年以降のSBS/AHTに疑問を呈する海外裁判例20件の一覧表を作成しました。ご参照ください。

「ふたつの正義」BSフジテレビで再放送5月5日深夜(6日未明)午前3時~

以前このブログでもご紹介したSBSを扱ったドキュメンタリー「ふたつの正義~検証・揺さぶられっ子症候群~」(第27回FNSドキュメンタリー大賞受賞作)が、BSフジテレビ(衛星放送-更新前まで、誤ってフジテレビ系列と記述しておりました。お詫び申し上げます)で再放送されます。5月5日深夜、6日未明午前3時という時間帯ですが、是非ご覧ください。↓

http://www.bsfuji.tv/fns_award/pub/index.html

米国の2つの重要な裁判例について(2)

《(1)のつづき》

3.カバゾス対スミス事件判決について

(1) つぎに、カバゾス対スミス事件における連邦最高裁の判決について見てみましょう。

 溝口医師の解説には、次のような指摘がありました。

〔SBS検証プロジェクトが〕「本当に中立的な立場で検証を行っているのであれば、2011年の米国の最高裁判決(Cavazos v. Smith, 565 U.S. 1 (2011))についても触れるべきである。このSmith事件において米国最高裁は「SBS否定派」のUschinski、Squire〔ママ〕、Donohoe, Bandakらの「新しい研究」を完全に否定している。」(同書「訳者による解説」375頁、強調は引用者)

 この記述は正しいのでしょうか。

(2) カバゾス対スミス事件(Cavazos v. Smith, 132 S.Ct. 2 (2011))は、次のような事件です。

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