Akiko KOGAWARA について

古川原明子 龍谷大学法学部准教授・龍谷大学犯罪学研究センター科学鑑定ユニットリーダー

スウェーデン調査①

共同代表の秋田弁護士・笹倉教授を中心としたグループで、8月末から海外調査に出ています。

最初の訪問地は昨年も訪れたスウェーデン。なんと初日のインタビューはあのSBUで行うことができました。SBUとは、スウェーデンの医療技術評価委員会です。この委員会がSBSに関する検証を行い、いわゆる三徴候・暴力的揺さぶりについてこれまで執筆された論文のうち十分な科学的エビデンスに基づいたものはないという報告書を2016年に出したのです。SBUの報告書は社会に大きな影響を与えてきたといわれていますが、このSBSに関する報告書も同様に、国内外から大きな注目を集めました。

*SBU報告書の翻訳は龍谷法学50巻3号に掲載されています。

SBU報告書を作成した委員会の委員長であるカロリンスカ研究所のリノエ教授をはじめとして、3人の研究者が参加してのインタビューが行われました(詳細はまた別投稿にて)。

 

翌日は、カロリンスカ研究所にお招きいただき、リノエ教授からさらに詳細なレクチャーを受けました。

以上、SBU報告書の本拠地訪問から始まった海外調査について、簡単なレポートです。調査団はストックホルムでさらにインタビューを重ねた後、さらに隣国ノルウェー、そしてイギリスでもインタビューを行いました。次のレポートにご期待ください。

スウェーデン最高裁2014判決とSBU2016年報告書

龍谷法学50巻3号に、秋田・笹倉両代表による翻訳が掲載されています。ネットで読むことができますが、データにたどり着くのが少し難しいようです。以下の方法でお試しください。

①龍谷大学図書館の検索ページで「学内学術成果」のタブをクリック

https://library.ryukoku.ac.jp

②キーワードに「SBS」を入れて検索。

③論文がヒットするので、赤いバナーの「本文・要約」をクリック

51号には2018年2月に開催した国際シンポジウムから、ウェイニー・スクワイア医師の講演録(翻訳)を掲載しています。キース・フィンドレイ氏、ケイト・ジャドソン氏の講演録も今年度中に公表する予定です。ぜひご覧ください。

さらに朝日放送でも

10日夕方のニュース番組「キャスト」で、▽娘への“揺さぶり ”めぐる裁判の行方として、SBS関連の企画が放送されました。冤罪被害者へのインタビューを元に構成されたとのことです。

虐待にまつわる問題の一つとして、虐待防止と同様に、多くの方がSBS問題に関心を持って下さることを願っています。

 

特集番組が大きな注目を集めています

3月8日に、毎日放送のVOICEで揺さぶられっ子症候群が特集されました。http://www.mbs.jp/voice/special/archive/sort/201803.shtml (14日にCBC中部日本放送でも放送予定)

シンポジウムに登壇された矢野さんへの取材が中心で、引き離されたお子さんとの面会後のやり取りには胸が痛みます。SBS検証プロジェクト代表の秋田弁護士と、それに反対する医師双方の主張も取り上げられています。

特集はYahoo!ニュースでも配信され、驚いたことに、わずか一日で800件ものコメントが付いていました。その中には矢野さんの苦しみに共感したり、揺さぶられっ子症候群仮説のあやうさを指摘したりするものも少なくありません。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180309-10000001-mbsnews-l27

シンポジウムで矢野さんがお話された場面が最後にあります。2月16日の本ブログの記事も併せて、ぜひご覧ください。http://shakenbaby-review.com/wp/2018/02/16/冤罪被害者からのメッセージ/

 

冤罪被害者からのメッセージ

シンポジウムでは、刑事裁判で係争中の方も含めて、3名の方からのメッセージがありました。このうち、約三年の親子分離を経験した矢野美奈さん(一般社団法人スリーポート)がステージで読み上げて下さったメッセージを、ご許可を得て掲載します。

SBS問題の「主役」は誰なのかを改めて感じさせるものでした。 続きを読む

2018年2月10日京都にて国際シンポジウムを開催します

画期的なシンポジウムです。

https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-995.html

何が「画期的」なのか。以下の二点をご覧ください。

第一に、医師と法律家が共にSBS理論について議論する場は、(少なくとも公開の場は)日本ではこれまでに存在しませんでした。

第二に、複数の専門領域の医師が、SBS理論の科学的信頼性を特に論じる機会は多くはなかったと伺っています。

本シンポジウムには、複数の専門領域の医師と法律家が共に参加します。

豪華なパネリスト

本シンポジウムは、単なる議論の場を提供するだけではありません。

まず、国外からは、SBS理論の科学的信頼性について問うてきた著名な医師と、SBS事件を担当した弁護士を招きました。

次に、国内からは、SBSについて日本で最も深い知識を有するとされる脳神経外科医、医学界をリードしてきた法医学者、日々医療現場で臨床に携わる医師が参加します。そこに、SBS事件を現に担当する弁護士と研究者が数名加わります。(今後、異なる立場の医師にも参加を呼びかける予定です)

本シンポジウムは、「刑事司法における科学鑑定の信頼性」を追求するユニットが主催しています。ここで問われているのは、「特定の虐待の判断基準が科学的に信頼できるか否か」という問題であり、「虐待を許すか否か」ではありません。

エビデンス・ベースドな議論を志向する方、ぜひご参加ください。参加費は無料です。

お申し込みは以下から↓

https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-995.html