Monthly Archives: 6月 2021

速報 名古屋高裁 岐阜地裁のSBS無罪判決に対し、検察官証拠請求を却下、即日結審

名古屋高等裁判所刑事第2部(鹿野伸二裁判長、後藤眞知子裁判官、菱川孝之裁判官)は、SBSを疑われた母親について、岐阜地裁が2020年9月25日に言い渡した無罪判決に対する検察官控訴に対し、2021年6月15日の控訴審第1回公判において、検察官の追加証拠請求(検察官が自ら撤回した2点を除く18点の証拠)をいずれも却下し、即日結審しました。検察官の控訴趣意は、本文93頁にも及ぶ膨大なものでしたが(さらに本文13頁の控訴趣意補充書が提出されています)、その主張のほとんどが、原審で提出した証拠に基づくものではなく、控訴審になって新たに証拠請求しようとした医師の意見書などに頼ったものでした。その追加証拠請求がすべて却下されたのですから、検察官は、控訴趣意の基礎を失ったことになります。もともと刑事事件における控訴審は、新たな事実取調べをすることなく、一審の無罪という結論を有罪に覆すことはできません。したがって、検察官控訴が棄却され、無罪が維持される公算が高まったと言えるでしょう。控訴審判決は、2021年9月28日午前10時30分から、名古屋高裁の1号法廷で言い渡されます。

関テレ「裁かれる正義」がNYフェスティバル2021の2部門ファイナリストに!

2019年11月に放映された関西テレビ制作「ザ・ドキュメント 裁かれる正義 検証・揺さぶられっ子症候群」(英語タイトル: Justice on Trial: Reexamining Shaken Baby Syndrome)が「ニューヨークフェスティバル2021」において、2部門でファイナリストに選ばれました

*ニューヨークフェスティバルについては、こちらをクリック

2019年10月25日に大阪高裁で逆転無罪判決を言い渡された女性とその家族、女性の事件に関わった医師や法律家を追いながら、SBSについて検証を行った作品です。

同作品はこれまで、第70回文化庁芸術祭 テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞、第27回坂田記念ジャーナリズム賞、第40回「地方の時代」映像祭2020放送局部門選奨、第9回日本医学ジャーナリスト協会賞優秀賞を受賞し、SBSに関わる関西テレビの報道は、民放連、ギャラクシー賞なども受賞しています。