『乳幼児の転倒などで頭骨内に重大な傷を負うことはまれで、 重い外傷があれば大人による暴行を考えるべきだと検事に説明したい』
少し古い記事になりますが、これは2017年9月、新聞記事に載ったある小児科医のコメントです。新聞記事によれば、最高検と法務省は2017年9月25日から5日間にわたり、医師や児童心理の専門家を招き、全国から集めた検事を対象とする児童虐待についての研修会を開催したとのことです。冒頭のコメントは、その研修の講師として招かれた小児科医によるものです。SBSを念頭においての発言であることは間違いないでしょう。全国の検事に対する研修ですから、この講師の意見は日本の刑事裁判に大きな影響を与えることも間違いありません。では、このコメントは正しいのでしょうか?もちろん、字数の制約が大きいマスコミでのコメント記事ですから、その真意が正確に伝わっているかは不明です。しかし、あくまで記事となったコメント部分を前提とする限り、その論理は明らかに間違っています。 Continue reading →