大阪地裁で無罪判決

またSBS事件で無罪判決が言い渡されました。

大阪地方裁判所は、生後4ヶ月の長男を揺さぶって怪我をさせたとされた女性の事件について、2020年12月4日に無罪を言い渡しました。

男児は急変当時、託児所に預けられていました。その後、急性硬膜下血腫や眼底出血が発見されたことから、母親が男児を揺さぶって虐待したとされたのです。育児ストレスが動機であると主張されました。

これに対して弁護人は、男児の頭蓋内に古い硬膜下血腫が広範囲に存在しており、軽微な外力でもそこから出血した可能性があると主張しました。母親が男児を託児所に預けに行くときに抱っこひもで抱えて自転車に乗ったときに揺れた可能性があることも指摘されました。

裁判所は、女性に「暴行があったと認めるには合理的疑いが残る」として無罪を言い渡しました。

女性は、虐待と診断した医師の意見にもとづいて起訴されました。事件から三年半が経過し、ようやく無罪判決が言い渡されましたが、女性はいまだに長男と一緒に暮らすことができていません。

本件につき、関西テレビの記事を是非お読み下さい。

One reply

  1. […] 2020年12月4日に大阪地裁で言い渡されたSBS無罪判決(以下、「大阪地裁判決」)に対し、検察官は期限までに控訴せず、母親の無罪が確定しました。大阪地裁判決では、赤ちゃんに慢性硬膜下血腫という既往症があり、軽微な外力でも架橋静脈の破綻が生じ易い状態であったことが認定されています。検察官の控訴断念は当然の結論と思われますが、そもそも、このような事例で訴追にこだわった捜査機関や、その訴追の根拠になった医学的意見を述べた医師の方々には、自らの判断について十分な検証をしていただく必要があります。このブログでも、判決から窺える本件の問題点を検証したいと考えていましたが、ちょうど時を同じくして、アメリカ・テキサス州でも本件と共通する問題点を指摘する裁判(2020年12月7日テキサス州トラヴィス郡第167地裁における専門家証言の排除を求める弁護人異議に対する決定=IN THE 167TH JUDICIAL DISTRICT COURT OF TRAVIS COUNTY, TEXAS NO. D-1-DC- 17-100160 STATE OF TEXAS vs. NICHOLAS BLOUNT  FINDINGS OF FACT AND CONCLUSIONS OF LAW REGARDING DEFENDANT’S MOTION. EXCLUDE EXPERT TESTIMONY。以下「テキサス決定」)が出されていました。内外の2つの裁判は、虐待認定の在り方について、重要な問題提起をしていると思われます。以前にこのブログで触れた日本小児科学会の見解にもかかわる問題です。少し詳しく検討してみたいと思います。 […]

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