Daily Archives: 2020年9月26日

岐阜地裁はなぜ無罪を言い渡したのか?-山田不二子医師証言の問題点

 すでに報じられているように、2020年9月25日の岐阜地裁無罪判決は、ソファからの低位落下という事故でも、SBS仮説で虐待の根拠とされる三徴候が生じ得ることを明確に認めました。その認定の根拠となったのは、弁護側で証言に立たれた青木信彦医師(脳神経外科医)の鑑定意見と証言です。青木医師は、アメリカでSBS仮説が信じられるようになった1984年に、英語論文で中村Ⅰ型の症例を報告し、三徴候から安易に虐待と決めつけることに対し、強い警鐘を鳴らしてきました。これに対し、検察側の証人として出廷したのは、児童虐待問題で主導的な立場にある山田不二子医師(内科医)でした。岐阜地裁は両医師の証言を聞いた上で、青木医師の「脳神経分野の専門知識、 臨床・研究経験、 頭部CT画像の読影経験」が山田医師より「格段に豊富である」とし、青木医師の供述を採用し、「これに反する山田供述は採用できない」としたのです。では、採用されなかった山田証言とはどのようなものだったのでしょうか。

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