本日の朝日新聞朝刊に、「無罪判決相次ぐ『揺さぶられ症候群』初の実態調査へ」(1面)、「『揺さぶり』難しい事実証明 多角的な検証体制求める声」(3面、いずれもリンク先は会員限定記事です)という2つの記事が掲載されました。
厚労省の『手引き』改訂に向けた動きが進んでいること、SBSの対応の見直しと、その前提となる実態調査が今後行われる予定であることが紹介されています。本記事は、虐待を疑われ1年7か月に渡って子どもと引き離され、自身も逮捕されてしまった女性の経験についても取りあげています。
家庭内で子どもが怪我をしたときには事実の証明が難しいことから、多角的な検証体制が必要です。記事では、医学的論争を整理し対応を議論しなければならないという虐待対応現場の声とともに、三徴候による判断は誤る可能性があるという研究が多くあるので慎重に判断しなければならない、小児科医や脳神経外科医などの異なる専門領域の医師が意見を交わして検証する体制が必要である、との法医学者の意見が紹介されています(ただし、法医学者のコメントはデジタル版のみに掲載)。
1週間前の同紙の別の記事「赤ちゃん、泣きやまない時」については、本ブログでも2回にわたって指摘したような様々な問題点がありましたが、本日の記事は議論や問題の状況を客観的にとらえたものでした。指摘されているとおり、冷静で多角的な議論が進められることを願っています。