Category Archives: SBS検証プロジェクト

2月14日岐阜SBS/AHTシンポジウム 揺さぶられっこ症候群 ~わかっていること、わかっていないこと~12日、大阪でプレセミナーも開催

2月14日(木)13時~18時 岐阜の朝日大学(5号館512講義室)で国際シンポジウム揺さぶられっこ症候群 ~わかっていること、わかっていないこと~を開催します。

このシンポジウムに先立ち、大阪では、2月12日(火)18時30分~20時30分(大阪弁護士会館)「SBSをめぐる国際セミナー」を開催します。

 下記のチラシをご確認の上、是非ご参加ください。

なぜ議論がすれ違う?-”わからない”ことはわからない

SBS検証プロジェクトを立ち上げて以来、さまざまなご意見をいただく機会が増えました。少なくとも「三徴候があれば、3メートル以上の落下や交通事故などのエピソードがなければ、自白がなくとも原則として揺さぶりだと判断してよい」などという乱暴な議論は少なくなってきたように思えます(とは言え,いまなお厚労省のマニュアル「子ども虐待対応の手引き(平成25 年8月 改正版)」の同旨の記述は修正されていませんし,「交通事故か揺さぶり以外に三徴候はあり得ない」という医師の意見も出されています)。私たちの検証の呼びかけによって、一歩ずつでも議論が深化していくことは喜ばしいことです。私たちの検証の呼びかけに対し、ご批判の声も聞こえてきます。もちろん、私たちの表明する見解が、常に正しいなどと言う考えはありません。ただ、残念ながら、それらご批判の中には、私たちの見解とかみ合っていないと言わざるを得ないものが多く含まれているようです。

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ジャーナリスト柳原三佳さんの最新記事です

SBS/AHTの問題について取材を続けておられるジャーナリストの柳原三佳さんが、11月20日の大阪地裁での無罪判決について記事を執筆されました。

是非お読み下さい。→ こちら

SBS検証プロジェクトの秋田真志・共同代表のインタビューも掲載されています。

スウェーデン調査② 2018年2月9日スウェーデン行政最高裁判決

今回の現地調査で、2018年2月9日に、虐待の疑いをかけられたあるSBS事案に関して、スウェーデン行政最高裁判所が重要な判決を出していたことがわかりました。

この判決の趣旨は、基本的には2014年のスウェーデン最高裁判決(こちらも、翻訳をウェブでお読みいただけます。本ブログのこの記事をご参照下さい)と同趣旨です。2014年の最高裁判決は「暴力的な揺さぶり(=虐待)の診断についての科学的なエビデンスは不確実なものと判明した」として、ある刑事事件の被告人に逆転無罪を言い渡したのでした。

これに対して、2018年2月の判決は、SBSの診断に基づいて親子を分離した行政裁判所の判断に関するものでした。

行政最高裁判所は、次のように判示しました。

「SBU報告書からすれば,三徴候の存在から暴力的な揺さぶりを示す推認の科学的根拠は少ない。本件において,頸部の軟部組織の損傷など,他の証拠は存在しない。さらに,子どもの急性の症状の前にあったとされる出来事については,目撃者の証言もなければ他の状況証拠もない。本裁判所はこのような状況において, CCが暴力的な揺さぶり によって虐待されたということを,十分な確実性をもって調査できたということはできないと結論づける。
 次の問題は,頭部へのその他の暴力によって損傷が生じた可能性はあるかという点である。
 この点について,虐待の疑いはやはり三徴候の存在のみに基づくものであった。本件では,痣,軟部組織の腫脹,骨折など,頭部への暴力を示す所見は見られない。医師たちはCCの症状の原因となる暴力がどのようなものであるか,疑われる暴力と症状とがいかに関連するかについて,説明できていない。本件傷害は暴力が加えられたことを原因とするものであるとの結論は,本件で意見を述べた他の医師たちの意見からも支持されない。このような背景のもと,CCの頭部にその他の暴力が加えられたということは,本件医学的調査からは支持されないと本裁判所は判断する。
 結果的に,上述のとおり,CCが身体的な虐待を受けた蓋然性があると結論づけるために必要な証拠は,本件においては存在しない。」

 

このように、行政最高裁判所は、SBUの報告書(2016年)を引用した上で、本件で子どもが虐待を受けた蓋然性を否定したのでした。

RFFR(スウェーデンのえん罪被害者団体)の副代表であるMats Hellbergさんが元の行政最高裁判決を英訳して下さいましたので、日本語に翻訳することができました。まだ「仮訳」ではありますが、是非お読み下さい。

180915スウェーデン行政最高裁2018年2月9日判決 翻訳

Swedish Supreme Court Decision Japanese Translation 

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ザ・ドキュメント「ふたつの正義」

久しぶりの投稿です。少し間があいてしまいましたが、今後また、この間のSBS検証プロジェクトの活動などについて投稿をしていきます。

さて、5月24日で関西テレビで放映されたザ・ドキュメント「ふたつの正義~検証・揺さぶられっ子症候群」をご覧になりましたでしょうか。

残念ながら深夜の放送でしたが、関東や東海などでも順次放映されたようです。

揺さぶられっ子症候群をめぐる最近の議論について、色々な関係者のインタビューをとおして丁寧に描いた作品でした。

このような番組を通して、この問題について幅広い方に知っていただければと思います。

雑誌『季刊刑事弁護』でSBS特集!

4月20日に発売された刑事弁護の専門誌『季刊刑事弁護』に、揺さぶられっ子症候群(虐待による頭部外傷)の特集が組まれました!

目次は下記のとおりです。是非、お読み下さい!

           =========

[特集]乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)事件を争う弁護活動
「本特集の趣旨」 川上博之
「乳幼児揺さぶられ症候群とは」 笹倉香奈
「判例分析①—争点と判断構造」 川上博之
「控訴審で何とか協力医の尋問にこぎつけたが、無念の敗訴—実録・SBS弁護の困難」 金杉美和
「捜査段階の留意点」 髙山 巌
「SBS事案の公判段階の弁護活動ではどのような点を注意すべきか」 秋田真志
「判例分析②—無罪事案」 我妻路人
「SBSが疑われた場合の児童相談所・家庭裁判所対応」 三村雅一
「虐待による頭部外傷」 荒木 尚

「インタビュー その鑑定医は、本当に専門家ですか?」     朴 永銖/インタビュアー:川上博之

柳原三佳さん 現代ビジネスの記事「無実の親が刑務所に送られようとしている」

ジャーナリスト柳原三佳さんの新たな記事です。

「無実の親が刑務所に送られようとしている」ある学者たちの訴え

SBS検証プロジェクト共同代表笹倉香奈教授のインタビューがメインです。是非お読みください。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54698

さらに朝日放送でも

10日夕方のニュース番組「キャスト」で、▽娘への“揺さぶり ”めぐる裁判の行方として、SBS関連の企画が放送されました。冤罪被害者へのインタビューを元に構成されたとのことです。

虐待にまつわる問題の一つとして、虐待防止と同様に、多くの方がSBS問題に関心を持って下さることを願っています。

 

特集番組が大きな注目を集めています

3月8日に、毎日放送のVOICEで揺さぶられっ子症候群が特集されました。http://www.mbs.jp/voice/special/archive/sort/201803.shtml (14日にCBC中部日本放送でも放送予定)

シンポジウムに登壇された矢野さんへの取材が中心で、引き離されたお子さんとの面会後のやり取りには胸が痛みます。SBS検証プロジェクト代表の秋田弁護士と、それに反対する医師双方の主張も取り上げられています。

特集はYahoo!ニュースでも配信され、驚いたことに、わずか一日で800件ものコメントが付いていました。その中には矢野さんの苦しみに共感したり、揺さぶられっ子症候群仮説のあやうさを指摘したりするものも少なくありません。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180309-10000001-mbsnews-l27

シンポジウムで矢野さんがお話された場面が最後にあります。2月16日の本ブログの記事も併せて、ぜひご覧ください。http://shakenbaby-review.com/wp/2018/02/16/冤罪被害者からのメッセージ/