報告会の模様をまとめたレポートが共催の龍谷大学HPにて公開されました。
「無実の祖母はなぜ『犯人』にされたのか ―SBS冤罪・山内事件を振り返る―」を共催【犯罪学研究センター】
弁護団報告の詳細をお読みいただけます。ぜひご覧ください。
報告会の模様をまとめたレポートが共催の龍谷大学HPにて公開されました。
「無実の祖母はなぜ『犯人』にされたのか ―SBS冤罪・山内事件を振り返る―」を共催【犯罪学研究センター】
弁護団報告の詳細をお読みいただけます。ぜひご覧ください。
2020年1月28日、大阪高裁刑事3部(岩倉広修裁判長)が、一審大阪地裁の無罪判決 (傷害致死・裁判員裁判)を支持し、検察官の控訴を棄却しました。
亡くなった事件当時1歳11か月の児童には、揺さぶり・虐待を認定する根拠とされる、いわゆる三徴候(急性硬膜下血腫、眼底出血、脳腫脹)が生じていました。裁判では、そのうち主に急性硬膜下血腫の頭部外傷の原因が、 被告人の暴行によるものと断定できるのか、あるいは事故等の他の可能性があるかということが争点となりました。
一審(大阪地裁平成30年3月14日判決)は、児童に見られた急性硬膜下血腫の原因となる架橋静脈の破綻は、「故意による打撃のほか、転倒等の事故も考えられる」との弁護側医師の証言から、「死亡結果が生じる程度の急性硬膜下血腫が偶発的事故により発生する可能性も十分にある」として、無罪を言い渡していました。今回の控訴審判決もその判断を是認したものです。
内因性で逆転無罪判決を言い渡した大阪高裁令和元年10月25日判決に引き続き、低位落下・転倒による急性硬膜下血腫発症の可能性を正面から認めた点で、重要な判断です。SBS/AHT仮説は、低位落下・転倒では、三徴候が生じないということを前提としていますが、その前提を明確に否定しました。さらに、医学的所見から暴力的な揺さぶり=虐待と認定できるとするSBS/AHT仮説による訴追そのものに、大きな疑問を投げかけ、再考を促すものと言えるでしょう。
YAHOO!JAPANニュースで
“虐待冤罪” 無罪判決続く 当事者が投げ掛ける「揺さぶられ症候群」の隙間
が公開されました。ジャーリストの益田美樹さんが、SBSをめぐる日本の現状を多角的な視点からリポートしたものです。是非お読み下さい。
来る2020年2月14日(金)午後6時から、東京霞ヶ関の弁護士会館で、SBS(揺さぶられっ子症候群)仮説をめぐるセミナー「虐待を防ぎ冤罪も防ぐために、いま知るべきこと」 (主催 日本弁護士連合会、共催 関東弁護士会連合会、東京三弁護士会、大阪弁護士会、甲南学園平生記念人文・社会科学研究奨励助成研究「児童虐待事件における冤罪防止のための総合的研究グループ」、龍谷大学犯罪学研究センター科学鑑定ユニット) を開催します。最新の状況を踏まえて、活発かつ建設的な議論をしたいと思っています。ぜひお越しください。
月曜の夜にも関わらず、約100名の参加がありました。お集まり下さった方々、またご協力下さった方々、ありがとうございました。
弁護団報告と山内泰子さんのインタビュービデオを中心に、内容の濃い2時間となりました。終了後には、有意義なご意見をいただくこともできました。寄せられたご感想やご意見をプロジェクト内で共有した上で、本判決だけでなく類似のケースに共通する多様な問題に、今後どう取り組むべきかを考えていきたいと思います。
2月の国際シンポジウムを皮切りに、SBS仮説をめぐる様々な動きのあった一年でした。この間、多くの方々のご理解とご支援を賜りましたことに、心よりお礼申し上げます。皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
*報告会の様子は、ビデオ等で一部を公開する予定です。
2019年10月25日に大阪高等裁判所が言い渡したSBS事件・逆転無罪判決の全文が、裁判所のウェブサイトにアップされています。
こちらから、どなたでもアクセスできます。是非お読み下さい。
大阪高裁が2019年10月25日に言い渡した、山内泰子さんに対する逆転無罪判決について、大阪高検が、上告を断念する旨を正式に発表しました。
この3年間に、山内さんやそのご家族が味わった苦しみからすれば、決して手放しで喜べません。しかし、この判決の確定が、SBS仮説の見直しにつながり、冤罪や誤った親子分離を生まないきっかけとなることを期待したいと思います。
2019年11月4日、カンテレ「報道ランナー」で、「乳児虐待捜査」の”恐ろしさ”…気が付けば「無実の人」が有罪に 孫への”揺さぶり”疑われた祖母に『逆転無罪』と題する特集が報道されました。配信記事をこちらからご覧いただけます(2019年11月5日現在)。
また、ドキュメンタリー「ザ・ドキュメント 裁かれる正義 検証・揺さぶられっ子症候群」が11月11日深夜1:55~2:57に放送予定です。放送エリアは近畿2府4県と徳島県と限られていますが、視聴可能な方は、ぜひご覧ください。
ディレクターを務めた上田大輔さんは、精力的にSBS問題を取材されています。SBS検証プロジェクトについても語ってくださった龍谷大学犯罪学研究センターの記事はこちら→【犯罪学研究センター/科学鑑定ユニット対談】SBS検証プロジェクト 報道記者インタビュー