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[御礼]3月3日のシンポジウムへのご参加、ありがとうございました!

3月3日は、SBS検証プロジェクト共催シンポジウム『それでもえん罪はなくならない ―連続無罪判決後、「揺さぶられっ子症候群(SBS)」問題は終わったか?―』へのご来場とwebでのご視聴、ありがとうございました!対面とwebを合わせて、約160名もの方にご参加いただきました。

SBS検証プロジェクトの発足から、ちょうど5年が経過しました。この機会に、この5年を振り返り、SBS/AHTの問題を改めて検討するために開催したシンポジウムで、とりわけ今西貴大さんの事件を通して、えん罪の問題について皆様と考える貴重な機会になりました。

SBS検証プロジェクトの事務局長の川上博之(大阪弁護士会)は、ここ5年間のSBS/AHT事件の状況を振り返り、いわゆる「三徴候」ではなくあらたな「新徴候」による訴追が続いていること、しかしその立証の構造は旧来の「三徴候」による訴追と何ら変わらないことを明快に指摘しました。

その後のパネルディスカッションでは、現在大阪高等裁判所に控訴審が継続している、今西貴大さんの事件の弁護団が登壇し、事件の内容や現状についてわかりやすく説明しました。

さらに、2018年から活動を続けているSBS/AHTを考える家族の会の代表・菅家英昭さんや、SBS検証プロジェクトのメンバ―の古川原明子(龍谷大学法学部教授)も、この5年の活動を振り返りました。

2020年以降、コロナ禍によりすべてのイベントをオンラインに切り替えていましたが、今回は、久々に対面でも開催できたイベントでした。皆様と同じ熱気を共有できましたことに心から御礼申し上げます。

当日の様子を報じた関西テレビの記事です → こちらをクリック

IPJ学生ボランティアのインタビュー記事公開

すでにこちらでも同じインタビュー記事の前編をご紹介しましたが、イノセンス・プロジェクト・ジャパンの学生ボランティアが今西貴大さんの事件について高校でワークショップを開催し、その活動などについて、日本国民救援会が発行する「救援新聞」が取り上げてくださいました。1月15日号では、2回連載の2回目が公開されています。

インタビューを受けたのは、甲南大学で学生ボランティアとして活動する堀田零生(3回生)と西村友希(1回生)、SBS検証プロジェクト共同代表で、IPJの副代表でもある同大学教授の笹倉香奈です。

ぜひお読みください!

前編はこちらをクリック

後編はこちらをクリック

本日の朝日新聞記事

本日の朝日新聞朝刊に、「無罪判決相次ぐ『揺さぶられ症候群』初の実態調査へ」(1面)、「『揺さぶり』難しい事実証明 多角的な検証体制求める声」(3面、いずれもリンク先は会員限定記事です)という2つの記事が掲載されました。

厚労省の『手引き』改訂に向けた動きが進んでいること、SBSの対応の見直しと、その前提となる実態調査が今後行われる予定であることが紹介されています。本記事は、虐待を疑われ1年7か月に渡って子どもと引き離され、自身も逮捕されてしまった女性の経験についても取りあげています。

家庭内で子どもが怪我をしたときには事実の証明が難しいことから、多角的な検証体制が必要です。記事では、医学的論争を整理し対応を議論しなければならないという虐待対応現場の声とともに、三徴候による判断は誤る可能性があるという研究が多くあるので慎重に判断しなければならない、小児科医や脳神経外科医などの異なる専門領域の医師が意見を交わして検証する体制が必要である、との法医学者の意見が紹介されています(ただし、法医学者のコメントはデジタル版のみに掲載)。

1週間前の同紙の別の記事「赤ちゃん、泣きやまない時」については、本ブログでも2回にわたって指摘したような様々な問題点がありましたが、本日の記事は議論や問題の状況を客観的にとらえたものでした。指摘されているとおり、冷静で多角的な議論が進められることを願っています。

朝日新聞フォーラム「赤ちゃん泣きやまない時」の何が問題か

朝日新聞2020年7月19日版(大阪本社)に「フォーラム・赤ちゃん泣きやまない時」というオピニオン欄一面を使った記事(以下、「フォーラム記事」)が掲載されました。その記事内容には、正直なところ驚かされました。いわゆるSBS/AHT仮説を主導してこられた医師4名の顔写真付きのコメントが並び、そのご主張が全面展開されていたのです。確かに、私自身は、朝日新聞社にも編集権があり、そのような立場の方の意見だけが掲載されることは、それだけで不公平だとは思っていません(もっとも、私もこれまで様々な形で報道被害に遭われた方を数多く知っており、このようなことを書くと、甘いとご批判を受けるかもしれません)。また、記事やそのコメントの中には、私たちが行ってきた批判を意識した部分も見られ、直ちに一方的な記事とは言えないと思います。しかし、これらの記事やコメントの内容は、相当問題だと言わざるを得ません。いくつか例を挙げましょう。

 まず、NPO法人チャイルドファーストジャパンの山田不二子理事長のコメントです。

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