【速報】連日のSBS無罪判決!東京地裁立川支部

また、今度は東京地裁立川支部で、SBS仮説に基づき赤ちゃんを揺さぶって死亡させたとして、父親が起訴された事件で無罪判決が出ました(傷害致死・裁判員裁判。求刑8年)。この事件では多くの医師が証人として証言したようです。裁判所は、これら医師の証言を慎重に検討した上で、「本件のように犯罪を証明するための直接的な証拠がなく,高度に専門的な立証を求められる傷害致死事件においては,生じた傷害結果について医学的な説明が可能かということだけではなく,本件に即していえば,被害者の年齢,事件前の被告人の暴行の有無やその態様,事件に至る事実経過,動機の有無やその合理性,事件後の被告人の言動などの諸事情を総合的に検討し,常識に照らして,被告人が犯行に及んだことが間違いないと認められるかを判断する必要がある。…本件の事実経過からは,被告人が被害児に揺さぶる暴行を加えたことをうかがわせる事情は見当たらず,被害児に暴行を加えていないと一貫して主張する被告人の供述には一応の根拠が認められることや,被害児に生じた本件各傷害の発生機序に関する検討結果を併せてみれば,結局,被告人が被害児に揺さぶる暴行を加え,その結果,本件各傷害を負ったと認めるには合理的な疑いが残ると言わざるを得ない」と判断しました。SBS仮説に依拠して、医学的な所見のみで、揺さぶりと決めつけようとしてきたこれまでの訴追・立証の在り方に、強い警鐘を鳴らしたと言えるでしょう。それにしても、99.9%有罪と言われてきた日本において、これだけ無罪判決が続くことは、異常というほかありません。これまで日本の検察庁は、起訴は立証が間違いない事件のみを慎重に行ってきたと述べて来たはずですが、そのような思い込みを捨てなければなりません。すでに関係機関は、SBS仮説をゼロから見直すことを義務付けられていることが明らかです。

One reply

  1. […] 今西さんの事件は、外力であることを示す証拠は何もありません。その一方、内因であることを示す証拠が数多くあるのです。日本でも海外でも、内因である可能性が指摘され、雪冤される例が増えています。山内事件は静脈洞血栓症が問題になりました。東京で無罪となった父親のケース(1審・東京地裁立川支部令和2年2月7日判決、控訴審・東京高裁令和3年5月28日判決)では、ALTE(Apparent Life Threatening Event=乳幼児突発性危急事態)という突然死の可能性が指摘されました。新潟の事件では、くも膜下腔拡大という内的素因が問題とされました。スウェーデン最高裁の逆転無罪判決では、RSウィルス感染の可能性が指摘されています。ニュージャージ上級裁判所決定は早産児における基礎疾患が問題となっています。2022年4月28日にはミネソタ州(Robert John Kaiser vs State)で、2022年8月17日にはミシガン州(State vs John H. Sanders)で、それぞれの救済申立手続(Motion for Relief 日本の再審請求に該当)において、確定有罪判決では、頭蓋内出血の理由として、静脈洞血栓症(ミネソタ)や感染症と凝固異常(DIC)による自然発症の可能性(ミシガン)が検討されていないとして、いずれも再審が命じられました。 […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です