以前ご紹介した西本博、藤原一枝著「赤ちゃんが頭を打ったどうしよう!?~虐待を疑われないために知っておきたいこと」は、本文63頁、大変読みやすく、お勧めです。それでいて、専門的な問題点もちゃんと押さえて、わかりやすく解説しています。
特に、3章「入院した乳幼児急性硬膜下血腫の6つのケース〈軽症から重症まで〉」は漫画を駆使して、6つの症例がわかりやすく紹介されています。医師や児童相談所の対応が様々で一貫していないことがよく分かります。親子分離の是非や方法をめぐって、現場は混乱していると言えるのではないでしょうか。
この本は、赤ちゃんをもつ養育者の方々だけでなく、医師や児童相談所の現場の人にも読んでいただき、よりよい対応を考える参考にしてもらいたいものです。
[…] これまでもこのブログでご紹介してきた藤原一枝医師が、幻冬舎から「さらわれた赤ちゃん-児童虐待冤罪被害者たちが再び我が子を抱けるまで-」を出版されました。西本博医師と共著の「赤ちゃんが頭を打ったどうしよう」に引き続き、児童相談所による親子分離の実際を、具体例で紹介されています(SBS検証プロジェクトについても触れられています)。生の事実と、脳神経外科医としての知見に裏打ちされた論述には、強い説得力があります。親子分離については、「虐待の疑いがある以上、オーバートリアージはやむを得ない」という意見が根強いと思われます。しかし、親子分離の実際を前にして、本当にそれで良いのか、一石を投じる書物です。是非ご一読ください。 […]