Daily Archives: 2018年10月29日

アメリカで相次ぐSBS仮説を見直す裁判例

すでにお伝えしたニュージャージー州の無罪判決オハイオ州控訴審の有罪判決破棄判決以外にも、アメリカでSBS仮説の見直しを迫る裁判例が相次いでいます。

2018426日、テネシー州の少年裁判所は、生後6カ月の女児に三徴候(硬膜下血腫、眼底出血、びまん性軸索損傷=DAI)が認められたという専門家の鑑定によって、若い両親(18歳以下)による虐待が疑われた事例について、児童保護当局による親子分離の申立を却下しました。この裁判では、両親側の専門家が、当局側専門家の鑑定について、びまん性軸索損傷は認められず、硬膜下血腫も血栓静脈の見間違いの可能性があるなどと指摘しました。日本でも、近時一部の小児科医らが、裁判において、脳浮腫の原因を医学的な証拠がないにもかかわらず広範な脳実質損傷があると決めつける例が多く見られます。大変参考になる裁判例です。少年裁判所は、当局側専門家の鑑定に疑問を呈するとともに、両親による養育に問題がなかったことなども指摘し、虐待について明白で説得的な証拠はないとして、児童保護当局の申立を却下したのです。

他にも多くの裁判例がでています。 Continue reading →